INTJの「考えすぎ」は才能です。コンプレックスを最強の武器に変える生存戦略。
皆さん、こんにちは!MBTI研究家のSARIです💕
今回は、多くのINTJが一度は言われたことがあるであろう「考えすぎだよ」という言葉を逆手に取り、それを最強の武器に変えるための生存戦略についてお話しします。
思考のループにハマり、自分でも身動きが取れなくなってしまう時もあれば、「いやいや、これくらい考えるのが普通でしょ!考えないと不安じゃない?」と感じる時もある。
もはや、考えすぎることはINTJの個性であり、その思慮深さこそが魅力とも言えるのではないでしょうか。
この記事が、「考えすぎなのかな……」と悩むINTJさんや、そう言われて傷ついた経験のある方々の助けになれば幸いです。
実は最近、経営者仲間との飲み会で「自分は考えすぎかもしれないけれど、この性質は生粋のINTJである私の長所だな!」と再認識する出来事があり、この記事を書くきっかけとなりました。
Contents
なぜINTJは「思考の沼」にハマるのか?
そもそも、なぜINTJは「考えすぎて」しまうのでしょうか。
本当に「考えすぎ」なのでしょうか。
一度、「考えすぎている」という前提で話を進めてみましょう。
INTJの最も重要な心理機能は、第一機能である「内向的直観(Ni)」です。
これは未来のビジョンや物事の本質、隠されたパターンを瞬時に見抜く力。一つの情報から無数の可能性を頭の中でシミュレーションする、非常にパワフルな機能です。これがINTJの深い洞察力の源泉であり、同時に「考えすぎ」の根源でもあります。
次に、そのビジョンを実現するための実行部隊が、第二機能の「外向的思考(Te)」です。これは物事を効率的、合理的にシステム化し、外部の世界に働きかける力。計画を立て、事実に基づき、最短ルートでゴールを目指すことを得意とします。
問題は、このNiとTeの連携がうまくいかない時です。特に、不確実な情報が多い分野ではTeが有効に働きません。その結果、エンジンであるNiだけが暴走し、出口のない思考のループにハマってしまう、と分析する専門家は少なくありません。具体的には、人間関係のような不確実性の高いものほど、この連携がうまくいかず、考えすぎてしまうのです。
この前提を踏まえ、ここからは私の考察をお話しします。
「考えすぎ」は「最短ルートが取れない」というサイン
上記の前提を踏まえると、「考えすぎ」とは、「最短ルートが見つからない」というアラートだと言えます。
計画を立て、事実に基づき、最短ルートでゴールを目指すTeが機能しているからこそ、解決策を求めて思考を巡らせている状態です。それに時間がかかっているということは、それだけ「最短ルートが狭き門である」ということに他なりません。
つまり、「考えすぎ」を善悪で判断するのではなく、「自分は今、論理や予測が通用しないカオスの領域に足を踏み入れているのだな」と客観的に認識するためのサインと捉えれば良いのです。
その上で、「そのリスクを取ってでも飛び込む価値があるのか」「自分の人生にとって本当に大切なのか」を判断するフェーズに移ればいい。そう考えると、INTJが「考えすぎ」と感じる状態は、闇雲に突っ走るのを防ぎ、覚悟を持って挑戦するための準備段階と言えるでしょう。これはINTJの大きなアドバンテージです。
「考えすぎ」は「不確実性が高い」という状況報告
また、「考えすぎ」は「不確実性が高い」という状況報告でもあります。
例えば、人間関係や恋愛で思考がループしている時。これは、相手の感情や次の行動といった、コントロール不可能な変数が多すぎる状態であることを知らせるサインではないでしょうか。つまり、「もっと仲良くなれる可能性がある」とか、「相手が何か説明できない行動を取っている」といった状況を、INTJの思考は敏感に察知しているのです。
この状態を、他のタイプの人々は、
「恋の始まりってドキドキする!」
「初対面って緊張する!」
「イベントって何から手をつけていいかわからない!」
といった、色とりどりの言葉で表現しているのかもしれません。
しかしINTJの場合は、これらが一律で「なんだか色々と考えちゃうな」という状態になるため、周りから見ると「いつも何か考えている人だな」「考えすぎじゃない?」と映るのではないでしょうか。
「考えすぎ」は、そんなに悪いことじゃない
そもそも論ですが、私は「考えすぎ」は決して悪いことではないと思います。これを再確認したのが、冒頭でお話しした経営者仲間との飲み会です。
あるENFPの起業家が、「最近、事業も安定してきたから、次の事業を始めようと思ってるんだけど、リスクが取れなくて迷ってるんだよね」と皆に相談しました。
すると、ESTPの仲間は「何か好きなものはないの?それにしちゃえば!」と提案し、別のENFPの仲間は「誰かとの出会いがきっかけで決まりそうだね!」と話を広げ、最終的には「一緒に何かやろうよ!」と盛り上がって終わりました。
その様子を、生粋のINTJである私は、
- そもそものリスク許容度は?
- 挑戦可能な事業リストは?
- 各事業に挑戦した場合の最高値と最低値は?
- 挑戦しない場合の最高値と最低値は?
…といったことを考えながら、ISFJの仲間と静かに見守っていました。
同じ「仕事が好き」という共通点があり、同じ性別であっても、一つのトピックに対してこれほど反応が違うのは面白いと感じました。
ENFPたちの盛り上がりが落ち着いた頃、どうしても気になったので「一つ目の事業で経済的に安定している今、二つ目の事業でどんな状態になったら『失敗』と定義するの?」「二つ目の事業を始めるリスクにはどんなものがある?」と尋ねてみたところ、「そこまで考えてなかった…!」という返事に、さらに驚きました。
私個人としては、新しいことを始める時のワクワク感は何物にも代えがたいものです。「何かやろう!」と思ったら、それについて考え続けない時間はないくらい思考を巡らせます。その状態は私にとって非常に楽しく、この楽しみが人生にないなんて考えられません。
この楽しさを味わえるのなら、多少気が合わない人に意地悪な物言いをされたとしても、お釣りがくるほどです。もはや「考えすぎって、褒め言葉では?」とさえ思います。自分でとことん考えられるテーマに出会え、さらにINTJという資質を持って生まれたことに、心から感謝しています。
「考えすぎ」という才能を活かすための生存戦略
では、この「考えすぎ」という名の唯一無二の才能を、具体的にどうすれば日常で最強の武器として使いこなせるのでしょうか。ここからは、その方法について考察していきます。
【生存戦略①】思考を「サンドボックス化」する
一つ目は、思考に「聖域」と「時間制限」を設けることです。「思考のサンドボックス化」とも呼ばれます。サンドボックスとは、外部に影響を与えないように区切られた安全な環境のことです。
INTJの思考は、放置すると日常生活のあらゆる場面に染み出してきます。シャワー中、食事中、寝る前…常に頭が稼働している状態は脳のエネルギーを消耗させ、いざという時の集中力を削いでしまいます。
そこで、意図的に「この問題について考えるのは、このデスクで、この1時間だけ」と決めるのです。その時間内は、誰に何を言われようと、どんなに突飛なアイデアであろうと、一切の制限を設けず、思考の海を自由に泳ぎ回ります。未来のシミュレーション、リスク分析、あらゆる可能性の分岐を、心ゆくまで探求するのです。
そして、時間が来たらスパッと切り上げる。これを習慣化することで、思考の暴走を防ぎ、日常生活のパフォーマンスを維持できます。さらに、「この時間だけは深く潜れる」という安心感が、思考の質そのものを高めてくれるのです。
チェスにおける「ファーストチェス理論」をご存知の方も多いかもしれません。「5秒で考えた手」と「30分かけて熟考した手」の86%は同じ手になる、という考え方です。個人的には、残りの14%にこそ素晴らしい選択肢があるのでは…と思わなくもないですが、一時期これを意識して思考時間を短縮したところ、確かに熟考しても同じ決断に至る率は同程度だと感じました。
つまり、短時間でも深く考えることは十分に可能です。だからこそ、ダラダラと考え続けるのではなく、思考にメリハリをつける。これこそが、INTJの強力なエンジンを持続可能に動かし続けるための秘訣です。
【生存戦略②】Teを強制起動させる「思考の壁打ち」
思考のループから抜け出せない時、それはNi(内向的直観)だけが空回りし、Te(外向的思考)が機能不全に陥っているサインかもしれません。そんな時に有効なのが、思考の「強制的なアウトプット」です。
頭の中だけで完結させず、とにかく外部に出す。これがTeを強制的に起動させるスイッチになります。
具体的には、
- 紙に書き出す(箇条書き、マインドマップ、図など)
- 音声を録音する
- 安全性の高い相手に話を聞いてもらう
といった方法があります。思考を言語化・可視化するだけで、「自分は今、何に詰まっているのか」が客観的に見えてきます。
「安全性の高い相手」として、最近ではAIも非常に有効です。どんなに良好な関係でも、とりとめのない話を聞かされ続ければ、ネガティブな気持ちになってしまう人も少なくないでしょうからね。
【生存戦略③】「なぜ考えるのか?」をFiで問う
最後の戦略は、INTJの第三機能であるFi(内向的感情)を活用することです。これは私の持論が強めかもしれませんが、考えすぎて動けなくなる時は、「何を」「どう」考えるべきかに囚われがちです。
しかし、その状態を打破する鍵は、「なぜ、自分は”このこと”について、これほどまでに考えているのか?」という問いにあると思うのです。
それは、自分の「こうありたい」という理想のためなのか。「これを失いたくない」という価値観を守るためなのか。それとも、単なる知的好奇心や、負けたくないという意地なのか。
この「なぜ?」という問いの答えは、自分の心の奥底にあるFi(内向的感情)が持っていることが多いのです。
例えば、正しくあるために変えるべきだと考えていることが変えられなかったり、全く理解できない感情論をぶつけられたりした時、人は悩み、イライラします。その時に、変え方や理解することに力を注ぐのも良いでしょう。しかし、それでも答えが出なかったり、どうにもできない理不尽さを感じたりした時は、一旦、自分の内なる感情に目を向け、「なぜ自分はイライラするのか」「なぜ悩むのか」に焦点を当ててみるのです。
この問いかけによって、もしその問題が「自分の価値観にとって、実はどうでもいいこと」だと気づけば、驚くほどあっさりと、その思考の沼から抜け出せることがあります。
逆に、それが「自分の人生を賭けてでも達成したいこと」だと確信できたなら、「考えすぎ」は「覚悟を決めるための必要不可欠な儀式」へと昇華されます。そうなれば、もう迷いはありません。INTJの強みであるTeを使って、最短ルートを見つけ出せるはずです!
「考えすぎ」は、欠点ではない
長々と話してきましたが、結論はシンプルです。
「考えすぎ」は、決して欠点やコンプレックスではありません。
未来を見通し、リスクを分析し、複雑な世界で自分だけの正解を見つけ出すための、INTJに与えられた強力なレーダーであり、最高の才能なのです!
今回も、この記事への感想や補足など、コメントでいただけると励みになります!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。SARIでした。